キッズデスクはいらない? 家庭でできる「自分から使いたくなる」環境づくりのコツ

こんにちは。インテリアになる知育家具のMINORINOチームです。

「キッズデスクって本当に必要なの?」「買ったのに全然使ってくれない!」といった声は意外と多いものです。実際、小さなお子さんほど長い時間じっと座り続けるのは難しく、家族との触れ合いやほかの遊びに目移りしてしまうこともよくあります。それだけで「もうキッズデスクいらないかも」と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、デスクをまったく活かせないまま手放してしまうのは、少しもったいないかもしれません。キッズデスクは単に「座らせる」ためだけの家具ではなく、“子どもが何かに取り組む環境”を整えるうえで役立つ要素の一つです。

本記事では、「どうして子どもはデスクを使ってくれないのか?」という背景を探りながら、環境づくりのヒントをお伝えします。デスクがあるだけで創造力や集中力が劇的に高まるわけではありませんが、子どもの発達をふまえた工夫を取り入れることで、「自分からデスクに向かいたくなる」きっかけがつくれるはずです。

どうして「キッズデスクはいらない」と思ってしまうのか?

1. 幼児が長時間座るのは難しくて当たり前

幼児期の子どもは注意力の持続時間がきわめて短く、3~4歳であれば10分程度座っていられれば十分という研究報告もあるほどです。年齢が上がるにつれて少しずつ集中できるようになりますが、幼児期からいきなり30分も1時間も落ち着いて座り続けるのはハードルが高いのが自然です。こうした発達段階を知らずに「デスクに座らせようとしてもダメだった…」と感じると、「もうキッズデスクいらないかも」と思ってしまうかもしれません。

2. 子どもが好む活動とデスクのイメージが合っていない

キッズデスクと聞くと、どうしても「お絵かき」や「文字の練習」を連想しがちです。しかし、工作やブロック遊び、粘土遊び、本の読み聞かせなど、子どもが熱中する活動はさまざま。「お絵描きはあまり好きじゃない」という子にとって、デスクが“絵を描く場所”になっていると足が遠のいてしまうのは自然なことです。

3. テレビやほかの遊びが気になってしまう

子どもが作業に集中しづらい原因として、テレビや大型のおもちゃが見える位置にあることも挙げられます。大人から見て「そこまで気にしないだろう」と思える環境でも、実は映像のチラつきや音の刺激は想像以上に注意を奪うものです。目に入ってしまうとついそちらへ吸い寄せられてしまい、「デスクよりもテレビが面白そう」と感じてしまうケースも珍しくありません。

4. 体に合わないキッズデスクやチェアで疲れてしまう

「子どもサイズのデスク」として売られていても、実際の身長や体格に合わない場合があります。足が床につかなかったり、天板が高すぎると、長く座っているだけで疲れてしまうでしょう。一度「デスクに座るのがつらい」「なんだか落ち着かない」と感じてしまうと、その後もデスクから離れたがる可能性が高まります。

キッズデスクを「いらないもの」にしないための環境づくり

1. 最初は親子で一緒に使う時間をつくる

まだ小さな子どもが、いきなり一人で長時間作業をするのは難しいもの。最初は「親子一緒に楽しむ場所」としてキッズデスクを活用してみてください。短い時間でも構わないので、折り紙やシール遊び、ハサミで紙を切る簡単な工作など、子どもが好きそうな活動を親御さんも一緒にやってみましょう。「デスクで何かやると楽しい!」という前向きなイメージがつくと、少しずつ自分からデスクに向かうきっかけになるはずです。

その期間は数か月かもしれませんし、1年ほどはかかる可能性もあります。はじめは工作やお絵かきするにも、「ママが描いて」「パパやってよ」など、子どもがひとりでやろうとはしないかもしれません。最初は手本を見せたり、手伝うことが多くても、少しずつ自分でできることが増え、要領を得ると自分でこなせるようになっていくはずです。「ひとりでやってほしい」と思うかもしれませんが、必要な期間として伴走期間を楽しんでください。

2. 遊びや学びの選択肢を広げる

キッズデスク=お絵かきやお勉強だけと思い込まず、粘土やブロック、絵本など子どもが興味を持ちそうなツールを充実させてみましょう。実は、自由に使える材料がそろっているだけでも、子どもが「何か作ってみたい」と思ったときにすぐ取りかかれる利点があります。デスク自体が創造力を高める魔法のアイテムではありませんが、「好きなときに好きなものを作れるスペース」があることで、子どもが試行錯誤しやすくなるのは事実です。

3. テレビや誘惑を遠ざけて集中できる環境を

視覚・聴覚を刺激するテレビやゲーム機が近くにあると、どうしても注意がそちらに向かいやすくなります。画面に映像が流れていなくても電源が入っていれば、チラッと気になってしまうもの。特に幼児期は興味の幅が広いため、デスクよりテレビが優先されることも多いでしょう。

もし「子ども部屋に置いているけど全然行かない」という場合は、リビングの一角に移動させるのも一つの手です。幼児期の子どもは、家族がいる安心感が大きなモチベーションになるため、身近に大人の気配がある場所のほうがデスクに向かいやすくなるケースも多いのです。

2-4. 子どもの体格に合った高さ調整

「子ども用だから大丈夫」と思いきや、実は足が床につかないほど椅子が高かったり、デスク天板位置が低すぎたりすることもあります。座ってみたときに背中が丸まりやすい、妙に体が窮屈に感じるなど、少しでも座り心地が悪いと長続きしません。

簡単に高さを調整できるモデルや、足置きを使えるタイプが望ましいですが、難しい場合はクッションや補助台などを駆使して、子どもが楽な姿勢を保てるよう工夫してみてください。

キッズデスクを活かすメリット

1. 「自分だけのスペース」を得られる

子どもの創造力や集中力は、環境のほかにも、好奇心や親子の関わり方など多くの要素で育まれます。

一方で、決まった場所・道具を用意してあげると「ここは自分の自由な空間なんだ」という意識が芽生えやすく、自分なりの管理や片付けに取り組むきっかけになりやすいです。何を飾って、どんな道具をどこに置くか、といった小さな工夫が、自主性を育む一歩になるでしょう。

2. 習慣化しやすい

子どもの中で「デスクに向かう=何かに集中する時間」という区切りが徐々につけば、自然と「ちょっと作業しようかな」「もう少し絵を描いてみようかな」という行動が増えやすくなります。あくまで環境のサポート的な役割ですが、同じ場所で決まった活動をする習慣ができるのは、学習面でも生活リズム面でも大きなメリットです。

3. 親子のコミュニケーション機会が増える

デスクで作った工作や描いた絵を見せてもらいながら、「どうやって作ったの?」「ここが素敵だね」などと話をするのは、親子のコミュニケーションを深めるチャンスでもあります。子どもは「作品を見てもらえる」と嬉しくなり、次はもっと工夫してみようと意欲を高めることが多いです。親子で「ここはこうしたら?」「こんなアイデアはどう?」と相談しながら進めると、一緒に過ごす時間がさらに充実するでしょう。

少しずつ習慣にしていくステップ

1. 短時間から取り入れる

特に3~4歳のお子さんがいきなり30分も1時間も座り続けるのは難しいため、最初は数分~10分程度からでOK。飽きたら無理強いせず「今日はこれくらいにしようね」と切り上げ、また次の機会を作れば十分です。嫌々やらせてもデスクに対するイメージが悪くなるばかりなので、楽しめる範囲で取り組むようにしてみてください。

「一緒にお絵かきしようよ!」と、一緒に遊ぶように誘ってみるのも効果的かもしれません。

2. ルーティン化してみる

毎日決まったタイミング(たとえば夕食後やお風呂の前など)で「ちょっとだけデスクに向かってみる?」と声をかけるのも習慣化には効果的です。

子どもにとってはゲーム感覚でも良いので、「今日の作品をリビングに飾ろう」「折り紙を何枚折れるかな?」など、小さな目的を設定すると続けやすくなります。

3. 子どもの興味に沿ったテーマを提案

好きなキャラクターや生き物、テレビ番組など子どもの関心があるジャンルを取り入れると、デスクの上での作業が一気に楽しくなります。「恐竜の足跡スタンプを作ろうか」「プリンセスのドレスを描いてみよう」など具体的な声かけで誘うと、ワクワクしながら取り組むでしょう。

キッズデスク=楽しい、という意識を持ってもらうことが何よりも大切です。

4-4. 完成をみんなで共有・飾る

作った作品はぜひ親やきょうだいに見せたり、部屋に飾ったりしてみてください。子どもは作品を認めてもらうことで達成感を得て、また次の作業への意欲が高まります。「いいね!」「面白いアイデアだね」といったポジティブなフィードバックが、デスクに向かう習慣づくりの大きな後押しになるでしょう。

おわりに――それでも「いらない」と感じたら?

キッズデスクは必須の家具ではありません。「リビングテーブルで十分」「家が狭くて置き場がない」など、各家庭の事情やお子さんの性格によっては、無理に導入しなくてもいい場合もあります。

ただし、少しの工夫で子どもが「自分からデスクに向かう」楽しさを知り、想像力や集中力を育むきっかけとなるケースも確かに存在します。リビングやダイニングのテーブルでは、子どもが自分ひとりで使うには難しいことも多く、自立心を育むという観点ではあまりおすすめはできません。

あくまで環境的なサポートとして捉え、親御さん自身も楽しんで活用できるのであれば、「やっぱりキッズデスクはいらない」と手放す前にもう一度試してみるのも悪くありません。

MINORINO(みのりの)のキッズデスクは、1歳半頃から7歳頃まで使える5段階の高さ調整機能や、筆圧を吸収するリノリウム天板、指挟み防止構造の引き出しなど、安全性と使い勝手を徹底的に追求。三方が囲まれるデザインで集中力を引き出しつつ、大型引き出しでA3サイズ用紙まで収納できるため、工作やお絵かきにも幅広く対応します。選べる天板オプション(PEGBOARDやBOOK STAND)やおもちゃ収納のためのSHELFやCHESTとのセット展開もあるので、成長に合わせた“おうち学習空間”を手軽に整えられます。ぜひ製品をチェックしてみてください。

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